2.2.1. DSSSLの特長と適応分野

 当社が組版システムに用いている国際標準規格DSSSL は、式言語と呼ばれるプログラミング言語の機能による柔軟な条件判断とオン・ザ・フライの文書加工能力が最大の特徴です。また、組版指定を記述したスタイルシートを一度作成すれば、対象となるDTD が同一の文書に関しては修正の必要がなく、完全に自動化したシステムを構築することができます。
 スタイルシートの学習および作成コストは、InDesign などGUI を利用してテンプレートを作成するのと比較すると高価であることは否めません。得られる結果とコストとのバランスから考慮すると、頻繁に改訂する文書や、DTD が同一で内容の異なる文書が大量にあるような場合に最も高い効果を発揮します。
 逆に、スタイルシートが一度きりの使用で使い捨てになるケースではコストバランスが悪く、ページ数が大量にあるような文書を除けば適応度は低めと言えます。また、DSSSLはXSL よりも柔軟性・表現力は高いのですが、デザイン性の高い組版を実現するには相当の試行錯誤が必要となるため、このような分野での使用には向いていません。

<<prev      next>>