ワープロソフトでは、画面を見ながら文字単位で範囲を選択してスタイルを指定しますが、DSSSL のスタイル指定はこれとは大分様子が異なります。DSSSL ではタグ(の種類)ごとに指定を行っていきます(図3)。つまり、同一のタグでマークアップされているデータは、一般に同一のスタイルでフォーマットされる事になります。
図3 : タグ単位でスタイルを指定する
ここで“一般に” とことわったのは、言語機能を駆使することにより、適用するスタイルを条件によって変更することも可能なためです。ただし、この方法では指定が煩雑になりがちです。
ところで、同じ名前のタグで適用スタイルを変更したいケースというのは、多くは親(あるいは祖先)のタグが異なる場合ではないでしょうか。たとえば、章見出し( <chapter>を親に持つ<title> )と節見出し( <section> を親に持つ<title> )で別々のスタイルを適用するようなケースです。
幸いなことに、スタイルシートのタグ指定は単一のタグ名に加えて、出現経路を示す複数のタグ名による指定が可能になっており、先ほどのようなケースであれば煩雑な式を必要とせずにスタイルを指定できるようになっています。