2.2.2. DSSSLとDTP

 DSSSL では、スタイルシートの記述に従って何らかの形式で組版結果を出力します。当社製品では出力結果はPostScript またはPDF となっていますが、これはワン・パスで最終結果が得られる反面、組版後の結果の修正を行わない前提であることを意味します。
 組版結果の修正が可能であったとしても、実際には組版結果の修正後に原稿(XML 文書)の修正が行われると、DSSSL によって再出力した結果を再度修正しなくてはならないため、非効率的で好ましい作業方法とは言いがたいのですが、場合によっては組版後の微調整を行いたいということもあるでしょう。
 残念ながら、現在のところ当社製品にはDTP ソフトウェアで読み込み可能な形式の出力に対応する予定はありませんが、もうひとつのDSSSL プロセッサであるOpenJade[3]を用いると、リッチテキストフォーマットやAdobe FrameMaker で読み込み可能な形式の結果を出力することができます。
 ただし、日本語を含む出力には問題があるため、実際に利用する場合は注意が必要です。特にFrameMaker で読み込み可能な形式では日本語を扱えないため、利用範囲は欧文のみの文書を組版する場合に限られます。また、当社製品と比較して規格への対応度合いが低く、複雑な組版指定の実現が困難である点も注意が必要です。

[3] UNIX 互換システム等で動作するフリーソフトウェア。コマンドライン上から操作する。

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