3.3.6. external-graphic フロー・オブジェクト・クラス

 external-graphic フロー・オブジェクト・クラスは、外部画像ファイルを文書中に挿入するために用います。対応する画像ファイルの種類はDSSSL プロセッサに依存しており、NEXTPublisher ではTIFF, JPEG に対応、DSSSLprint(PS 版)ではそれらに加えてEPS に対応しています。
 このフロー・オブジェクトは、ディスプレイ領域とインライン領域のいずれにすることも可能で、文中の外字などの表示に用いることもできますし[12]、もちろん通常の図版などに用いる事もできます。
 画像ファイルを参照する場合、SGML しかなかった時代には実態参照(ENTITY)と記法宣言(NOTATION)の組み合わせで外部画像ファイルを指定する方法が一般的でしたが、XML 文書では要素の属性を用いた指定の方が一般的と思われます(つまり、HTMLなどと同様の記述になります)。

<!NOTATION tiff SYSTEM "TIFF">
<!ENTITY graph SYSTEM "graph-2003-11.tif" NDATA tiff>
<image src="graph" width="8cm" height="5cm"/>

図11 : ENTITY/NOTATION を用いた外部画像ファイルの参照

<image src="graph-2003-11.tif" width="8cm" height="5cm"/>

図12 : HTML の構文に倣った外部画像ファイルの参照

 external-graphic フロー・オブジェクト・クラスでは、いくつかの方法で画像の拡大・縮小を指定する事ができます。ひとつは倍率を指定する方法で、幅と高さの倍率を一度に指定する事も、別々に指定する事もできます[13]。もうひとつは、幅または高さの値を指定する方法です。この指定には、先ほどと同じように幅と高さを個別に指定する方法と、いずれか一方を指定して比率を保ったまま拡大・縮小するよう指定する方法があります。


図13 : 倍率による画像の拡大・縮小

[12] DSSSL には外字を扱うための標準的な方法は規定されていません。弊社製品では、外字を画像として扱うのが一般的な解決策となっています。
[13] NEXTStylus では倍率指定はサポートされていません。

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