テキストの中の特殊な表記法に使われる特質を紹介します。
(a) 和欧混植
- position−point−shift:位置決め点を行進行方向に移動する量
- デフォルト0pt
この特質は行内領域の配置のところでも説明しました。
和欧混植では、和文文字と欧文文字の基準線が違うため、欧文だけがずれて見えることがあります。欧文部分にこの特質を指定することによって、ベースラインシフトを行い、和文と揃えることができます。
(b) 文字修飾
<1>傍線・抹消線
文章のある部分を強調するための下線(横組み)や傍線(縦組み)、打ち消しを意味する抹消線のスタイル指定は、傍線・抹消線流し込みオブジェクトクラスの特質によって行います。
- type:引く線の位置
- before (縦組みの傍線)
- through (抹消線)
- after (横組みの下線)
- score−spaces?:空白文字の上にも線を引くかどうか
- デフォルト#t(スペースにも傍線・抹消線を引く)
- #f(スペースには表示しない)
<2>圏点
文章の部分を強調するために文字列に振る圏点(傍点)のスタイル指定には、強調マーク流し込みオブジェクトクラスの特質を使います。
- mark:圏点として使う点オブジェクトを指定
- mark−distribution:配置のしかたを指定
- デフォルトglyph(各文字に対して、縦組では右の中心、横組みでは上の中心に配置)
- even(対象となる領域に均等に配置)
<3>ルビ
ルビのスタイル指定はグリフ修飾流し込みオブジェクトクラスの特質によって行います。
- annotation−glyph−placement:ルビ文字の配置のしかたを指定
- デフォルトcentered(修飾対象の文字(列)に対して中央に配置)
- shoulderd(修飾対象の文字の先頭に揃えて配置)
(c) 割注
1行の途中に複数行で組む割注のスタイル指定は、複数行行内注釈流し込みオブジェクトクラスの特質によって行います。
- inline−note−line−count: 注の行数デフォルト2
- open: 開きかっこデフォルト(literal “(“)
- close:綴じかっこデフォルト(literal “)”)