4.5.4. テキスト以外のもの

(a) 線

 線のスタイルを指定する特質には以下のものがあります。これは罫線、囲み罫、表などを表現するときに必要です。

  • line−cap: 線の端の形状
  • line−dash: 破線パターン
  • line−thickness: 線の太さ
  • line−repeat: 並べて引く平行線の数
  • line−sep: 線の間隔
  • length: 線の長さ

 囲み罫や表などの四角形の角では線を接続します。その接続法を指定します。

  • line−miter−limit:マイター接続の限界
  • line−join:線の接続スタイル
  • デフォルトmiter
  • round
  • bevel

 罫線の種類は特質orientation:で指定します。行内か行外かの別と、線の方向を決定します。

  • orientation:
  • horizontal 行外  水平方向
  • vertical行外  垂直方向
  • escapement 行内  字送り方向
  • line−progression行内  行送り方向

(b) 図

 図のスタイル指定には、外部グラフィック流し込みオブジェクトクラスの特質を使います。

<1>図の大きさ

  • scale:外部グラフィックの変倍率
  • デフォルトmax−uniform(縦横の比率を保持して最大に拡大)
  • max (最大サイズ)
  • 実数(変倍率を実数で指定)
  • max−width:外部グラフィックの最大幅
  • max−height:外部グラフィックの最大高さ

 
max−width:とmax−height:には、scale:にmaxかmax−uniformを指定した場合に使う最大サイズを指定します。

<2>実体と表記法

 図の外部ファイルをSGML文書の中に取り込むには、SGML文書内で実体宣言と表記法宣言を行います。図をフォーマットするためには、その宣言に使ったシステム識別子を指定します。

  • entity−system−id:外部グラフィックのファイル名
  • notation−system−id:外部グラフィックの画像フォーマットのシステム識別子

<3>配置に関する共通特質

図とそれを参照する本文とを分割せずに配置する場合、以下の特質を使います。

  • keep−with−previous?:直前のオブジェクトと同じ領域に配置するかどうか
  • デフォルト#f
  • keep−with−next?:直後のオブジェクトを同じ領域に配置するかどうか
  • デフォルト#f

 たとえば本文の後に図を置く場合、外部グラフィック流し込みオブジェクトにkeep−with−previous: #tを指定します。

(c) 囲み罫

 囲み罫は、テキストを囲んだりするのに使う四角形です。以下の特質を使ってスタイルを指定します。

<1>囲み罫の表し方

 囲み罫を線で表すか、背景の塗りつぶしで表すかを指定します。

  • box−type:
  • デフォルトborder (線)
  • background (背景)
  • both (線と背景の両方)

<2>線に関する指定

 囲み罫の線をどこに揃えて配置するかを指定します。

  • box−border−alignment:線の厳密な位置
  • デフォルトoutside (線の外側の辺を境界位置に揃える)
  • center (線の中心を境界位置に揃える)
  • inside (線の内側の辺を境界位置に揃える)

<3>分割位置の線の表示

 囲み罫が途中で分割された場合、分割位置に線を表示するかどうかを指定します。

  • box−open−end?:囲み罫が分割されたところには線を表示しないかどうか
  • デフォルト#f(表示する)
  • #t(表示しない)

<4>角の丸めに関する指定

 角を丸めるかどうか、またはどの角を丸めるかを指定します。

  • box−corner−rounded:丸める角の指定
  • デフォルト#f(角を丸めない)
  • #t(すべての角を丸める)
  • ’(before−before/before−after/after−before/after−after)
  • (特定の角をシンボルのリストで指定)

 角をどの程度丸めるかを指定します。

  • box−corner−radius:角の丸め方を4分の1円の半径で指定
  • デフォルト3pt

<5>行内囲み罫の大きさ

 囲み罫には行外になるものと行内になるものとがあります。行内の囲み罫は以下の特質で大きさを指定します。

  • box−size−before:(行内囲み罫の、配置パスの前の大きさ)
  • デフォルト8pt
  • box−size−after:(行内囲み罫の、配置パスの後の大きさ)
  • デフォルト4pt

(d) 表

 表のスタイル指定に使う特質を挙げます。

<1>表の幅

 表の列進行方向の大きさ(表の幅)を指定します。

  • table−width:表の幅
  • デフォルト#f(行外サイズから指定したインデント量を引いた値)

<2>表の角

 表の角の丸めについて、囲み罫の特質box−corner−rounded:、box−corner−radius:と同様に指定します(図「四角形の角の丸め」を参照)。

  • table−corner−rounded:表のどの角を丸めるかを指定
  • デフォルト#f(角を丸めない)
  • #t(すべての角を丸める)
  • ’(before−before/before−after/after−before/after−after)
  • (特定の角をシンボルのリストで指定)
  • table−corner−radius:角の丸め方を4分の1円の半径で指定
  • デフォルト3pt

<3>ヘッダ・フッタ

 この特質により複数ページにわたる表に対して、ヘッダをページごとにいれるか、最初だけに入れるかの指定ができます。

  • table−part−omit−middle−header?:表の途中ではヘッダの表示を省略するか
  • table−part−omit−middle−footer?:表の途中ではフッタの表示を省略するか
  • デフォルト#f (省略しない)
  • #t (省略する)

<4>表列

セルがどの列に含まれるかは列番号によって識別されます。列の幅は、列抜きをする場合には指定できません。

  • column−number:列(column)番号
  • デフォルト(前の列の列番号+1)
  • width:列の幅(列抜きをする場合は指定できない)

<5>表セル

 セルによる列抜き・行抜きの数を指定します。

  • n−columns−spanned:このセルが抜く列の数
  • n−rows−spanned:このセルが抜く行の数
  • デフォルト1

 列抜き・行抜きとは列進行方向、または行進行方向に複数のセルをまとめて1つのセルとして扱うことです。

 セル内容の上下左右にとる余白を指定します。

  • cell−before−row−margin: セルの前余白(行進行方向)
  • cell−after−row−margin: セルの後余白(行進行方向)
  • cell−before−column−margin: セルの前余白(列進行方向)
  • cell−after−column−margin:セルの後余白(列進行方向)
  • デフォルト0pt

 セル内容を配置する際に、行進行方向でどこに揃えるかを指定します。

  • cell−row−alignment:
  • デフォルトstart
  • center
  • end

 この特質を持つセルが、行の最初のセル、行の最後のセル、またはそのどちらでもない、のいずれであるかを指定します。

  • starts−row?:このセルを行の先頭に置くかどうか
  • ends−row?:このセルを行の末尾に置くかどうか
  • デフォルト#f

 セルに引く斜線の種類を指定します。

  • cell−crossed:
  • デフォルト#f(線を引かない)
  • with
  • against
  • both

<6>表罫線

 セルとセルの境界線が重なりあう場合に、どちらを表示するかを決める優先度を指定します。

  • border-priority:
  • デフォルト0

 境界線をどこに揃えて配置するかを、囲み罫の特質box−border−alignment:と同様に指定します(図「四角形の枠線の配置」を参照)。

  • border−alignment:
  • デフォルトcenter
  • outside(上の3つの値はbox−border−alignment:
  • inside と同じ意味です。)
  • start (列・行進行方向で線の最初の辺を境界位置に揃える)
  • end (列・行進行方向で線の最後の辺を境界位置に揃える)

 途中で分割された表の分割位置に境界線を表示するかどうかを、囲み罫の特質box−open−end?:と同様に指定します(図「分割された四角形」を参照)。

  • border−omit−at−break?:表の分割点で境界線を省略するかどうか
  • デフォルト#f(省略しない)

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