4.3. 欧文組版

 和文に欧文を混ぜて組む場合は、欧文組版ルールにも対応する必要があることは先に述べました。ここでは、欧文組版ルールとはどのようなものかを簡単に説明します。
 欧文組版には2つの代表的なルールがあります。イギリスのオックスフォードルールとアメリカのシカゴルールです。オックスフォードルールは、正式には“Hart’s Rules for Compositors and Readers at the University Press Oxford”といい、オックスフォード大学出版局が作ったものです。シカゴルールの正式名は“Chicago Manual of Style”で、シカゴ大学出版局が作ったものです。
 この2つは歴史のあるルールで、何度も改版されています。現在の最新版はオックスフォードが第39版(1987年)、シカゴが第14版(1993年)です。この本の中では、オックスフォードの第38版(1978年)の日本語訳と、シカゴの最新版を参考にしています。
 オックスフォードとシカゴに共通するルールの項目には、以下のようなものがあります。

<文章の組み方に関する一般的ルール>

  • 欧文文字の特徴
  • スペーシング
  • 行分割
  • 行分割以外の分割

<本文以外のものに関するルール>

  • 引用(Quotation)
  • 図(Illustration)
  • 表(Table)
  • 脚注(Footnote)
  • 索引(Index)

 和文組版での「禁則処理」に相当するものとして、以下の処理があります。

<不適切な分割を避けるための処理>

  • 行末の調整
  • 段末、ページ末の調整

以上の項目に沿って、欧文組版を説明します。

<<prev      next>>