6.2.4. DSC(DSSSL Syntax Checker)

 スタイルスクリプトと変換スクリプトの構文を検証するツールです。
 最新版1.0はSP 1.1.1とSchemeの処理系であるElk 3.0を元に作られており、Schemeインタプリタを内蔵しています。
 DSCが検証するのはスクリプトの構文が正しいかどうかのみです。流し込みオブジェクトクラス名や特質の値が正しくない場合には、エラーメッセージは表示されません。
 スクリプトの検証以外に、式言語を勉強するのに使えるツールです。
 DSCはフリーウェアであり、以下の場所からダウンロードできます。
 

http://www.cogsci.ed.ac.uk/‾ht/dsc−blurb.html

使用環境: UNIX(テスト環境:SunOS 4/5、FreeBSD 2.1.)

使い方

<1>DSSSLスクリプトとSGML文書の検証を行います。

コマンド

% dsc スクリプトファイル名 −+ SGMLファイル名

オプション

−d

 標準出力に検証結果(変形されたスクリプト)を表示します。

−u

 標準出力にスクリプトの重要部分の分析結果を表示します。

−s < id >

 ID of specification to use (defaults to first in document)

−t DSSSL指定の種類

 DSSSL指定の種類を指定します(style/transform)

% dsc sample.dsl −+ sample.sgm                スクリプトとSGML文書を検証
&gt;&gt;&gt; Evaluating specification . . . done.
&gt;                                             DSCのプロンプト
→ 最後にDSCのプロンプトが表示されます。
  DSCのプロンプトからシェルプロンプトに戻すには^Dを入力します。

 SGMLファイルを指定しない場合は、スクリプトファイルの検証だけが行われます。
 SGMLファイルに誤りがある場合は、SPと同じ形式でエラーメッセージが表示されます。

 例:スクリプトファイルに誤りがある場合

Spec. error in expression 1 at line 1:
        procedure calls not allowed at top level

 例:SGMLファイルに誤りがある場合

dsc:example.sgm:17:12:E: element &quot;LI&quot; undefined

<2>入力した式言語を処理して返します。

 DSCプロンプトで式言語を入力すると、評価結果が返されます。

&lt;例&gt;
    % dsc font.dsl −+ font.sgm
    &gt;&gt;&gt; Evaluating specification . . . done.
    &lt; (if (&gt; 3 2) ’yes ’no)     ← 式言語を入力
    yes     ← 評価結果

<3>portable Scheme debugger を使用して入力したスクリプトのデバッグを行います。

 DSCのプロンプトで “(inspect)”と入力すると、 “inspect>” というプロンプトが出ます。
 入力したスクリプトを解析・検証した結果を見ることができます。

% dsc example.dsl −+ example.sgm
&gt;&gt;&gt; Evaluating specification . . . done.
&gt; (inspect) ← (inspect)と入力
[Autoloading debug.scm]
Inspector (type ? for help):
inspect&gt; ← inspectのプロンプト

inspectへのコマンド例

  • ?ヘルプが表示されます。
  • QinspectモードからDSCモードに戻ります

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