5.3.1. DTDの分析

 DSSSLスタイルシートを作成手順の第一段階として、まず、処理対象である文書について知ることから始めます。次の3点に注意しながらDTDを見てみましょう。

<文書の種類>

 まず、処理対象の文書が何であるかを明確にしましょう。文書の種類とは、たとえば報告書、帳票、書籍などが挙げられます。文書には、文書の種類に応じたそれぞれにふさわしい文書スタイルがあります。そのため、DSSSLスタイル指定をする際には文書の種類をよく把握しておく必要があります。文書の種類は最初からわかっているのが普通ですが、未知の場合でもDTDの名称や要素名から推測し判断することはできます。
 例では文書の種類は一般によく使われている「報告書」であるとしましょう。
 (したがって、DTDの最上位の要素名はとします)

<文書の構造>

 次に文書の大まかな構造を知っておきます。
 例では次のような文書構造を用います。

  • 文書は、表紙(front)と本文(body)の2つの部分で構成されている。
  • 表紙はタイトル(title)、著者(author)、日付(date)から構成されている。
  • 本文は章(chapter)という単位で構成されている。
  • 章は節(section)という単位で構成されている。

 DTDを木構造図にしてみると、文書の構造を理解しやすくなります。

<要素の意味>

 各要素が文書内での何を表しているかを分析します。要素の意味は、要素名からわかります。たとえば要素paraは段落、要素listは箇条書きを表しています。(5.3.3の「要素の意味と適用する流し込みオブジェクトクラス一覧」を参照)

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