1.4.1. DSSSLに向いている文書

 では、どのような文書がDSSSL向きなのでしょうか。大雑把に言えば、SGMLやXMLで文書化(データ化)するのに適しているものは、概ねDSSSLに向いていると言えます。
 具体的な例を挙げてみると、まずマニュアルや論文などが考えられます。マニュアルなどのように、数十ページからときには数百ページに渡るような文書をワープロソフトやDTPソフト[5]などで製作していくのは、なかなか骨の折れる作業です。DSSSLを使えば、一度スタイルシートを作成するだけで後は自動的に処理されますので、非常に効率良く作成することができます。
 また、納品書や請求書のように、あらかじめ体裁の決まっている書類の出力にも適しています。単純にデータを埋めて出力するだけでなく、処理時にデータを加工しながら出力することもできますので、使い方次第で応用の幅も広がると考えられます。
 さらに別な例として、同じ要素が何度も繰り返されるような文書が考えられます。これはどういうものかというと、商品見本を一覧にしたカタログであるとか、名刺やラベルなどの印刷物をさしています。大量に商品が追加されたとしても、データさえ更新しておけば次回の出力時にはもれなく新しい商品も印刷されるという寸法です。

[5] QuarkExpressやInDesignなど。

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