1.4.2. DSSSLに不向きな文書

 一方、DSSSLに不向きな文書ですが、これには大別して2つの種類があります。ひとつは単ページでレイアウトデザインが使いきりである場合です。すでに説明したように、スタイルシートの作成にはある程度の馴れや試行錯誤が必要ですので、どうしても初期コストが高くつく傾向にあります。このため、よほどレイアウトが単純でもない限り、使いきりの文書ではスタイルシートを作成するコストと得られる結果が釣り合わないケースが多いと考えられます。
 もうひとつはデザインポスターに代表されるような、デザイン性の高い文書です。これらも使いきりである場合が少なくありませんが、それを抜きにしてもDSSSLには不向きと言えます。確かに、DSSSLを用いてもデザインポスターのような複雑なレイアウトを指定することは不可能ではありませんが、製作効率を考えると従来通りの手法よりもかなり見劣りしてしまうでしょう。
 もちろん、DSSSLを何に使うのかは最終的には利用者の判断によりますが、ひとつの技術にこだわり過ぎず、適材適所に使い分けていくのが賢いやり方ではないかと思います。

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