1. イントロダクション

 DSSSL(Document Style Semantics and Specification Language)は、1996 年にISO/IEC10179:1996 として承認された国際規格です[1]。DSSSL の主な目的は2 つ、ひとつはSGML 文書の変換指定言語の定義であり、もう一方は文書スタイル(フォーマット)指定言語の定義です。本書は、DSSSL の概要を紹介した後、後者のスタイル言語に的を絞って解説を行っています。

 ところで、今述べたようにDSSSL はSGML 文書処理に利用されるわけですが、そのSGML について、名前を聞いたことはあるものの、あまりよく知らないという方もいらっしゃるのではないかと思います。そこで、本章ではいくらかでも理解の手助けとなるよう、簡単ではありますがSGML が生まれたいきさつと概要の紹介を最初に行い、その後あらためてDSSSL の概要について解説を進めていくことにします。

[1] 余談ですが、1991 年のDIS1(国際規格原案)発行から最終的な規格承認まで、DSSSL の成立にはかなりの時間を必要としたようです。

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