2.4.1. フロー・オブジェクト・クラス

 DSSSL では、要素(テキストや画像など)を印刷・表示するためにフロー・オブジェクトと呼ばれるものを用います。フロー・オブジェクトはそれぞれ固有の性質(表示するテキストの書体や大きさなど)を備えており、これを規則に従って並べていくとフォーマットされた文書ができあがります。
 フロー・オブジェクトはそれを汎化したフロー・オブジェクト・クラスを基に生成されます。いわば、クラスは鋳型のようなもので、テキストや画像はそこに流し込む金属、フロー・オブジェクトはその鋳型(クラス)から鋳造されたもの、という関係になります。
 ただし本物の鋳型とは異なり、クラスからオブジェクトを生成するときには、それが持っているパラメータ(DSSSL ではこれを特質[characteristic]と呼びます)を変更することができます。このようにして、様々なスタイルを持つフロー・オブジェクトを生成し、それをフォーマット済み文書へと整えていくのです。このことから、DSSSL のスタイル指定は、文書の要素をどのフロー・オブジェクト・クラスと組み合わせ、どのような特質を付与するかの指定であるといえます。

図2.1 フロー・オブジェクト・クラスとSGML/XML 要素

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