4.5.1. 表示領域とインライン領域

 DSSSL には「~領域」と名付けられたものがいくつかあります。表示領域は、これら領域の内でも最も基礎的なもののひとつです。そしてもうひとつ、DSSSL による文書フォーマットを行う上で重要な領域に、インライン領域(inline area)があります。インライン領域は表示領域内の各行の内部領域にあたります(図4.8)。


図4.8 表示領域とインライン領域

 このことから、単語やフレーズのスタイルを指定するにはインライン領域に対して指定すれば良い、ということがわかります。加えて、スタイル指定の記述は実際にはフロー・オブジェクト・クラスを通して行うわけですから、インライン領域になるフロー・オブジェクト・クラスを用いる必要があります。
ごく一部の例外を除いて、フロー・オブジェクトは子要素を流し込むための領域を生成します。生成される領域が表示領域になるか、あるいはインライン領域になるかはフロー・オブジェクト・クラスによって異なります。この後にインライン領域を生成するフロー・オブジェクト・クラスについて説明しますが、クラスによっては表示領域にしか適用できない、あるいはインライン領域にしか適用できない特質などがありますので注意する必要があります。

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